実を言うと、今回は1と2の間にインターネットで先人の知恵を拝借するという項目を加えるべきです、 又、そこで知った書物を取り寄せ勉強もしました。テーマが古いだけに結構奥行きがあり楽しい勉強でした。
そうこうするうちに早くも一人目のお客様が見付かりました。自宅の庭に天然の川が流れているという
世にも恵まれたお宅、三重県美杉村の高松さんとの出会いです。
その庭に実現したのが写真の第3号機です。
この場合も実際に回り始めるまでには色々困難がありました。
第一は、お客様が水車が有れば良いなとは思っていたが大金を費やしてまではというためらい、
それに対して自分の腕試しが狙いで金儲けではないので材料費だけで良い、
と言う初対面の私の言う言葉を信用して貰うのに大変手間が要ったことです。
「それではお願いします」という言葉を頂戴すまでに車で1時間20分掛る高松さんの自宅へ3度通いました。
第二は、庭に流れている川が、地面から深く水面まで1m余ある為、半分は地下に隠れてしまうので
直径が2mの輪を作らないと見栄えがしないのです、それに対して私の工房は広さが約6帖、出入口の高さは1.8m弱ですから、
輪を完成してしまうと工房から出なくなってしまうのです。
やむを得ず、部品加工を完璧にやって後は現地組み立てとした訳ですが、
お客様の庭で手伝って貰いながら作るのも結構楽しい作業でした。
組み立てが終わって、川岸に作った軸受けに車をのせたトタン、
クルクル回りだしたのにはお客様共々飛び上がらんばかりの喜びであったのを記憶しています。
(続く)
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