専門業者の呻き声 その2
昔、現場のナンバーツー。今いづこ
昔と状況が変わってしまった代表選手が左官屋さんではないでしょうか。
今度は、私が現場主任時代に大変お世話になった左官の親方を訪ねました。
当時は40代で、職人さんを10数名率いて元気のよかった親方も今は64才、
息子さんに第一線を譲り、その息子さんの下にも職人さんは3人いるだけです。
ここ20年で、外壁も内壁も、モルタルを塗ることは殆どなくなってしまい残ったのが、
打放し補修と土間コンクリート金こて、階段廻りと、建具枠モルタル詰め程度。
この為、今は打設日を除くと、
職人さんも、材料も、かつての1割か2割で十分間に合います。
例えば最近完成した三重会館(三重県津市にあるオフィスビル。津市のランドマーク的存在)、
津中央郵便局のような大現場でも2〜3人で十分間に合います。昔なら20〜30人と、砂、セメントが
毎日大型車に一杯づつ要ったでしょう。
最大の仕事が、土間コンクリートの金こて押えですが、これは「土間屋」と呼ばれる専門の集団があって
電話一本で下見から当日の職人、機械まで責任施工でやってくれます。
東海4県や滋賀県ならどこでも来てくれます。
そんな有り様ですから、昔の「左官小屋」、「コネ屋さん」は姿を消しました。
それでは活躍の場を奪われた左官屋さんはどこへ行ったのでしょう。
その多くは住宅業界に活路を求め、外構エクステリアとして、門、塀、フェンス、カーポートの組立て、
或いは基礎工事に転向した人もあります。石膏ボードのGL工法になった人や
変わったところではユニットバスの組立てなどがあります。
土間コンクリートの押えですが、今は人間が乗って操縦するような大型機まで登場しました。
ヘリコプターを逆様にしてそのプロペラが4枚あるのを想像して下さい。
仕事が減ったとは言え、左官屋さん無しでは現場は成り立ちません。元気を出して続けてほしいものです。